Instructions: Use the button to listen to a sentence. Use the button to show a translation.

けちんぼう

Listen to Whole Story

むかしむかし、二人のけちんぼうがとなり合ってすんでいました。
ある日、一方の主人金づちをかりに、つかいの者をとなりへ行かせました。
つかいの者は、となりへ行ってたのみました
「すみませんが、金づちかしていただけませんか。ちょっとくぎうちたいのですが。」
「はいはい。それで、そのくぎは木のくぎですか、くぎですか。」
くぎです。」
この返事を聞くと、となりの主人は、「あいにくちょうど金づちはほかへかしてあります。」と言って、つかいの者を帰しました。
つかいの者がうちに帰ってこの話をすると、主人おこって言いました。
「なんて世の中にはけちな人がいるんだろう。
木のくぎくぎかとたずねてくぎなど分かったら、うそをついてことわった
金づちいたむと思ったら、かすのがおしくなったのだ。
しかたがない。それでは、うちの金づちを出してつかおう。」
さむらいとござ

Listen to Whole Story

むかしのことです。
一人の元気なさむらいが、ある百姓のうちへ来ると、一とめてくれとたのみました
「うちにはふとんがありませんが、よろしかったらどうぞおとまりください。
はとてもさむうございます。
このござかけてお休みください。」
「いや、わたしはたびたびいくさをしてきた。
その時はいつも野宿で、ものをかけてねたことなどはない。
心配無用だ。」
こう言って、さむらいごろりとそこにねてしまいました。
しかし、夜中になるとだんだんさむくなってきて、さむらいとうとうがまんできなくなりました。
さむらいはうちの者をおこして言いました。
「おいおい、このうちのねずみにはいつも足をあらわせているのか。」
「いいえ、そんなことはさせておりません。」
「そうか、それでは足がきたないな。
ふまれると、おれのきものよごれる
ござかけてくれ。」
さるのしっぽ

Listen to Whole Story

むかしむかし、大むかしさるしっぽはとてもとても長かったのです。
それがくまだまされて、あのようなみじかいしっぽになってしまったのです。
あるさるくまのうちへたずねて行って、どうしたら、川の魚がたくさんとれるだろうかとそうだんしました。
そうすると、くまが、「のようなさむいに川のふかい所へ行って、大きな石の上にすわって、そのしっぽを水の中へつけておいてごらん。きっといろいろな小さな魚が来てくいつくよ。」と教えてくれました。
さる大よろこびで、教えてもらったとおりにして待っていると、夜がふけていくうちに、だんだんしっぽおもくなりました。
それはがはってきたからですが、さるは魚が来てくいついたのだと思っていました。
「これくらいとれたら十分だ。あんまりつめたいからもう帰ろう。」と思って、しっぽを引き上げようとしたけれども、どうしてもぬけません
これはたいへんだと大さわぎをして、むりにひっぽったところが、そのしっぽがねもとからぷっつりと切れてしまいました。
さるの顔のまっかなのも、そのときあまり力を入れてひっぽったからなのでしょう。