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ダルマさん

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日本人のよく知っていることわざの一つに、「七転八起」というのがあります。
このことわざには、「七回も転んでも、もう一度起き上がって歩きなさい、
つまり、何度も何度も失敗しても、
がっかりしてあきらめずに、もう一度頑張ってやりなさい。」という意味がふくまれています。
このことわざを聞くと、日本人は、大抵手も足もないダルマさんを思い出します
かけじくなども、このことわざが書いてあったら、横に、ダルマさんの絵がついているのが普通です。
このダルマさんとは、六世紀ごろ、中国に渡って禅宗を開いたと言われているインドおぼうさん
菩提達磨に由来すると言われています。
達磨は、に向かって、九年間座禅をして悟りを開きました。
九年間も座禅をしたので、手も足もなくなってしまい、ダルマのようになったと伝えられています。
これは少々おおげさな表現だもしれませんが、達磨のように、何事にも幸抱し忍耐養い
何度失敗して立ち直って、また歩ける人間になるようにと、このことわざがよく口にされます
ダルマには、この忍耐表現するほかに、片目だけ入れておいて、何か願いごとかなうと、
もう一つの目を入れるしきたりがあります。
選挙の時に、当選すると、大喜びをして、ダルマの目を入れているところなど、
テレビで時々報道されるのを見たことがあるかもしれません。
このしきたりも、成功するには、ダルマのような忍耐必要だという考えが残っているからだと思います。
仕事で、失敗ばかりして、もうやめたくなったり、
勉強で、漢字覚えて覚えてすぐわすれてしまったり、
好きな人にふられて、もう生きていく力もなくなるほどがっかりするようなことがあったら、
「七転八起」ということわざと、ダルマさんの姿を思い出してください。
きっと、もう一度頑張ってみようという勇気が心にわいてくるでしょう。