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日本の始まり

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地球上気候がとても寒冷で、氷河時代と呼ばれていたころ、日本は、まだアジア大陸つながっていた。
そして、紀元前一万年ごろ、日本と大陸の間がかんぼつして、細長い日本列島ができあがった。」
というのが、地理や地学の時間によく聞く日本列島説明です。
これとは大分ちがった説明ですが、日本の古事記日本書紀の中に、とてもおもしろいことが書いてあります。
まだ、天と地がはっきり分かれていない何年もむかしの話です。
高い雲の上に、高天原という国がありました。
高天原には、天御中主神という神様が住んでいました。
そして、この神様に続いて、いろいろな神様が生まれましたが、
一番最後に生まれたのが、イザナギというりっぱな男の神様と、イザナミという美しい女の神様でした。
高天原の雲の下には、まだ土と水がどろのようにまじっているだけで、陸や海の区別がありません。
天御中主の神は、ある日、イザナギとイザナミを呼んで、
高天原の下におりて行って、新しい国を造りなさい。」とお命じになりました。
イザナギとイザナミは、天御中主神から、国造り道具として、
天の瓊矛というほこをいただき、新しい国をさがしに、高天原を出発しました。
やがて二人は、天に浮かぶ天の浮橋という橋の上に来ました。
その橋の上から下を見ると、海の中には何もありません。
そこで、イザナギは、天御中主神からいただいた長いほこを海の中に入れて、
どろどろとしている海をかき回しさっと引きあげました
そうすると、ポタポタとほこの先から塩水が落ちてきて、それが固まると、小さな島になりました。
イザナギとイザナミは、この島に新しい国を造ることにして、おりてきました。
そうして、大きなを立てて、家を作りました。
二人は、お祝いに、この大きなぐるりと回り、顔を合わせて愛を誓い合い、
新しい島を造り始めましたが、最初は、どうもうまく島が造れません。
どうしてか理由を考えてみると、顔を合わせて愛を誓った時、
女の神様が先に声をかけたから、うまくいかなかったのではないかと思い、今度は、男の神様から先に声をかけて、島を造ってみました。
すると、とても美しい島ができました。
この島が現在の淡路島です。
そのあと、同じ方法で、伊矛之二名島(現在の四国)、筑紫の島(現在の九州)、佐渡が島などができあがり、
最後には、大きな大和豊秋津島(現在の本州)を造りました。
二人の神様は、大喜びでした。
イザナギとイザナミがこの時造った八つの島が、現在の日本の国だそうです。
地理や地学の時間の説明とは大分ちがいますが、とても人間味のある、日本の始まりの説明だと思います。
このほかにも、まだたくさんおもしろい日本の神話古事記日本書紀という本の中に書いてあります。
ひまがあったら、読んでみてごらんなさい。
日本の古代の人々の生活や性格想像できて、とてもおもしろいです。