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阿波踊り

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南アメリカのブラジルのカーニバルは、世界的に有名です。
青々とした大西洋に続く白砂のコパカバナビーチ。
その海岸ぞい道路うねり踊って歩くリオデジャネイロの人々の姿を、きっと、テレビか写真で見たことがあるでしよう。
ブラジルのカーニバルほど世界的ではないかもしれませんが、
地球のその裏側の日本でも、盛大に、カーニバルと同じようなお祭りが行われます。
静かで、表情の少ないので有名な日本人が、カーニバルのような行事を行うと言ったら、信じない人がいるかもしれません。
しかし、百聞一見にしかずです。
疑いでしたら、八月の中ごろ、四国の徳島という所に行ってごらんなさい。
町中の人々が、通りに出て、踊りまくっています。
はっぴを着た人、浴衣すそをあげた人、手ぬぐいを頭にかぶり、鼻の下で結び、
くいしばって、一生懸命踊っている人など、
まるで気違いになってしまったのではないかと疑われるほどです。
でも、人々がそうして踊っているのを見ていると、自分まで、何だかいっしょになって踊りたくなってきます。
地元の人は、「踊るアホーに踊らぬアホー。同じアホーなら踊らにゃ」と言って踊り回ます。
このアホーからとって、時々「アホー踊り」とか「馬鹿踊り」と言われることもありますが、
本当は、「阿波踊り」と呼ばれる、四国独特踊りです。
現在の徳島市の一帯を、むかし、阿波と言いましたが、
その、蜂須賀家政という大名が、1857年に、徳島の瀟ノ津山にお築きました
そして、下の者といっしょに、盛大にそのお祝いをしました。
その当時、お祝いの仕方の一つに、無礼講と言って、
武士とか町人とか百姓とかの身分の区別や礼儀一切無くして、
みないっしょにおを飲み合うというのがありました。
完成を祝って、無礼講のお許しが出ましたが、
この時、祝いに浮かれて、人々が町中を踊り歩いたそうです。
これが、現在の阿波踊りの始まりだと言われています。
近年、多くの観光客が、この阿波踊りを見物に行きますが、
一日もたたないうちに、地元の人々といっしょになって、
「踊らにゃ」と言い、阿波踊りを楽しむそうです。