Instructions: Use the button to listen to a sentence. Use the button to show a translation.

戦後の日本

Listen to Whole Story

敗戦直後の日本を知っているアメリカ人がつい最近東京へ行ってみて、全く驚いてしまったという記事が新聞にのっていた。
B29の大空襲を受けて焼け野原になったあの東京が、今では、何百メートルもの高層ビルが林のように立ち並び、その谷間を縫うように高速道路が四方八方に敷かれている。
地上だけでなく、地下鉄が東京の町々を結び、大きな地下街もそこら中にでき、戦後の焼け野原しか知らない人がこの立体都市を見て浦島太郎のような気持ちになるのは、無理もないことかもしれない。
戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指令によって多くの改革が行われた。
戦争犯罪者の処分に始まり、それまで天皇は神の子孫とされてきたのを天皇自身が否定する人間宣言を行い、翌年、5月3日、GHQの提示した改革案を基にした日本国憲法が公布された。
新憲法では天皇は国民の象徴と定められ、主権は国民にあること(国民主権)、基本的人権を尊重すること(基本的人権の尊重)、戦争を放棄し戦力を持たないこと(平和主義)が明らかにされた。
また、三権分立が採用され、国会を立法機関、内閣を行政機関、最高裁判所を司法機関と、国を治める権力は三分されることになった。
開国後、日本がとても遅れていると気づいた明治の人が一生懸命他の近代国家に追いつこうとしたように、敗戦ですべてを失った昭和の人は、新しい日本造りに全力を注ぎ、政治、経済、社会の民主化を行い、日本人の生活は急速に改善されていった。
しかし、その土台となった日本国憲法と様々な戦後改革は、失った多くの命の代償と言わなければならない。
戦後50年にあたる1995年、村山首相が次のような談話を発表している。
「...我々が銘記すべきことは...歴史の教訓に学び、未来を望んで、人類社会の平和と繁栄との道を誤らないことであります。
(中略)敗戦の日から50周年を迎えた今日、我が国は深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを廃し、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し...民主主義を押し広めていかなければなりません。
同時に、我が国は唯一の被爆国としての体験を踏まえて核兵器の究極の廃絶を目指し...国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります。
これこそ、過去に対する償いとなり、犠牲となられた方々の御霊を鎮めるゆえんとなると、私は信じております。」
これは日本の一政治家の発言ではあるが、平和と繁栄への道を創り上げるのは、国際社会に生きる私達一人一人の責任ではないだろうか。