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清少納言

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紫式部と言えば対語のように言われる天才女流作家清少納言という人がいます。
紫式部は「源氏物語」で有名ですが、清少納言は「枕草子」という随筆集有名です。
これは「源氏物語」とだいたい同じにできた日本最古随筆です。
清少納言も、紫式部のように文才秀でた歌人に持ち、宮仕えをした人です。
紫式部一条天皇中宮彰子仕えたのに対し、清少納言一条天皇中宮定子仕えました。
彰子藤原道長にあたる人で、定子は道長の道隆でした。
はじめ、関白道隆勢力非常に盛んだったのですが、道隆死後、道長が急に力を増し定子身の上にもいろいろな不幸起こりました。
しかし、清少納言忠実に定子仕え続けたのです。
このように宮仕えする間に観察したこと、考えたことを知性的に、気の向くままに書き続けていきました。
ある程度、作り物である小説とはまた違う文章で、自然や人生、社会対する筆者率直感想思想くみ取ることができます。
例えば、11世紀初めに、清少納言既に男性と女性の間の不公平さ、性別による人生における進路相違矛盾としてあげています。
枕草子」は319から成りますが、「春はあけぼの」で始まる有名を次に例としてあげておきます。
11世紀の日本に生きた一人の女性鋭い観察表現簡潔さを感じ取って下さい
春はあけぼの
やうやう白くなりゆく山ぎは少しあかりて、むらさきだちたる雲細くたなびきたる
夏はよる。
月の頃はさらなりやみなほほたる多く飛びちがひたる
また、ただひとつふたつなど、ほのかにうちひかりて行くをかし
雨など降るをかし
夕暮
夕日のさして山のはいとちかうなりたるにからすねどころへ行くとて、みつよつ、ふたつみつなど飛びいそぐさへあはれなり
まいてなどのつらねたるがいと小さく見ゆるはいとをかし
日入りはてて、風の音、虫のねなど、はた言ふべきにあらず
冬はつとめて
雪の降りたるは言ふべきにもあらず、いと白きもまたさらでもいと寒きに火など急ぎおこして炭もてわたるもいとつきづきし
昼になりてぬるくゆるびもていけば火桶の火も白き灰がちになりてわろし